ASIC、個人投資家向けCFD規制策を適用開始

2021.03.31作成

2021.03.31更新

ASIC、個人投資家向けCFD規制策を適用開始

ASIC

ライセンス・規制

最大レバレッジを30倍に引き下げ

オーストラリア証券投資委員会(本社:Level 5, 100 Market Street, Sydney, NSW 2000 Australia[1])【以下、ASICと称す】は3月29日、最大レバレッジを従来の500倍から30倍に引き下げる個人投資家向けCFD規制策の適用を開始した。[2]

2020年10月、ASICは個人投資家向けCFD規制策の正式導入を決めていた。同規制策では個人投資家保護を徹底すべく、レバレッジ制限に加えて、ゼロカット方式の採用を義務付けた他、新規顧客を対象としたインセンティブの付与が禁止されている。今回、同委員会が適用開始した新規制策は、2018年に欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】が導入した規制策と調和のとれたものである。但し、ESMAの規制策ではリスク警告の掲載が義務付けられているが、ASICは同様の措置を採用していない。また、同委員会は海外FXブローカー各社によるCFD規制策の対応状況を注視しているという。新規制策の下では、違反を犯した個人は最長5年の禁固刑が、法人に対しては最大5億5,500万オーストラリアドルの罰金が科せられる。尚、同規制策は18ヶ月間適用され、恒久的に採用される可能性もあるとのことだ。

新CFD規制策の適用開始に際し、ASICの委員長を務めるCathie Armour氏は以下のようにコメントしている。

当委員会は新規制策の対応状況を厳密にモニタリングしており、エンフォースメント(法執行)を実施することをためらっておりません。また我々は、CFD業者が報告する顧客預かり資産の増減や顧客区分の分類ミスに関しても注視しております。市場の脆弱性が高まる中、有害な金融商品から個人投資家を保護することが、当委員会の最優先事項であります。

Cathie Armour, Commissioner of ASIC - ASICより引用

オーストラリアでASICのCFD規制策が正式に適用開始したことを受け、今後はレバレッジを大きく制限される同国拠点の投資家動向に注目したい。

release date 2021.03.31

出典元:

ニュースコメント

レバレッジ制限への対応が注目される海外FXブローカー

ASICによる新たなCFD規制策の適用開始に先立ち、多くの海外FXブローカーが、アジア・パシフィック地域において一定の市場規模を有するオーストラリア市場への参入を果たしている。例えば2021年2月、幅広い口座タイプを提供するFBSはASICの認可を受け、オーストラリアでFX・CFD取引サービスを開始した。尚、FBS(エフビーエス)は、2021年2月1日~7月1日の期間で、設立12周年を記念した総額120万ドルのトーナメントキャンペーンを実施中だ。また、Samtrade FXもASICよりライセンスを取得し、トレーディングエクスペリエンスの向上を模索している。他方で、ESMAがレバレッジを制限した新規制策を導入して以来、高レバレッジを求めるトレーダーがオフショア市場へシフトする動きが見られている。オーストラリアを拠点とする海外FXブローカー各社は、既に新規制策への対応を進めている模様だが、顧客基盤の維持・拡大に向けて革新的なソリューションを提供することに今後も期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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