韓国FSC、空売り禁止措置を2021年5月2日まで延長

2021.02.08作成

2021.02.08更新

韓国FSC、空売り禁止措置を2021年5月2日まで延長

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同日以降も2,000銘柄以上は空売り禁止措置を継続する見通し

韓国の規制当局である金融委員会(Financial Services Commission)【以下、FSCと称す】は2月3日、現在実施している空売り禁止措置を2021年5月2日まで延長することを発表した。[1]同国の空売り禁止措置は、世界最長の期間になるという。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、グローバル金融市場が不安定化する中、2020年3月、FSCは空売り禁止措置を開始した。マレーシアやタイに加え、フランスやベルギーなどのEU各国も空売り禁止措置を導入していたが、多くの国では同措置を即座に解除した。一方で韓国は2020年8月に2021年3月まで延長する決定を下していた。

FSCが一度目の空売り禁止措置を延長した後の2021年1月、Reddit【以下、レディットと称す】上で繋がる米国の個人投資家が共闘し、GameStop(ゲームストップ)などの銘柄を買い上げた。結果的にこれらの株式を空売りしていたヘッジファンドは買戻しを迫られ、更に株価が急騰する展開となっていた。

米国のレディット投資家による投機的な売買は、瞬く間に世界中の個人投資家を巻き込んだ。韓国では、株式市場で圧倒的なプレゼンスを誇る個人投資家が、空売り反対を合言葉に投機的な売買に参戦しており、約3万人の韓国人トレーダーが集まり、外国のショートセラー(空売り筋)が度々空売りの標的となるCelltrion(セルトリオン)などを買い漁っているという。また同国の政治家も、空売り禁止措置の延長を求める個人投資家と結束している模様だ。

空売り禁止措置の延長に際し、FSCの委員長を務めるEun Sung-soo氏は、5月2日以降に空売り禁止措置を一部解除するが、2,000銘柄以上は同措置を続けると言及している。また、空売り禁止措置を解除する銘柄は、時価総額が大きく、流動性も豊富なことから、市場へ与える影響は限定的なものになるという。

韓国の投資家がFSCによる空売り禁止措置の延長を歓迎する一方、世界中の市場関係者は同措置に賛同していない模様だ。例えば、国際通貨基金(International Monetary Fund, IMF)は1月27日、現在は金融市場が安定していることに鑑み、韓国に対して空売り禁止措置を解除するよう促している。また、FTSE Russelは韓国の規制当局に対し、同措置を継続する場合、株式市場分類における先進国からの除外を警告する書面を送付したという。尚、同社の株式市場分類において先進国として分類される場合、当該国の株式市場において空売りが容認されるものと見なされている。

2020年に株式市場の時価総額が世界20位に入る韓国では、FSCが依然として空売り禁止措置を継続させる中、株式市場で高いプレゼンスを誇る個人投資家が如何なる動きを見せるか、その動向に注目したい。

official release 2021.02.08

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ニュースコメント

レディット狂騒曲への対応を図る各国当局

多くのブローカーが、レディット投資家による市場の混乱への対応に苦慮している。直近では、Interactive Brokersとロビンフッドが取引制限を講じた。また、tastytradeに買収提案を行ったIG Groupは、一部銘柄の株価乱高下に伴い、技術的な問題が生じたことを受けて新規口座開設の受付を停止した。2月4日には米財務省(US Treasury Department)を始めとする関係当局が、レディット投資家による投機的な売買で一部銘柄の株価が乱高下した問題を協議し、今後分析結果を公表する方針を示している。レディット投資家による市場の混乱は、米国や韓国のみならず、英国やドイツ、マレーシアなどにも波及している模様だ。取引高の急増や新規口座開設の急増を背景に、複数のブローカーでシステム障害が発生している。今回、韓国ではFSCが空売り禁止措置の再延長を決断したが、その他のグローバル当局が市場の安定化に向けて如何なるソリューションを講じるか、その動向を見守りたい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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