SEC、デリバティブ活用に係る新規則を採択

2020.11.02作成

2020.11.02更新

SEC、デリバティブ活用に係る新規則を採択

SEC

ライセンス・規制

登録ファンドによるデリバティブ活用に関する包括的アプローチを採用

米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】は10月28日、登録投資会社(Registered Investment Company)【以下、RICと称す】及び事業開発会社(Business Development Company)【以下、BDCと称す】によるデリバティブ活用に関する新規則を採択した。[1]

新規則においては、RIC及びBDCが投資家保護の徹底に向け、デリバティブ・リスク管理・プログラム(Derivatives Risk Management Program, DRMP)とレバレッジ制限を導入する場合、デリバティブ取引を活用することができるという。また、投資ファンドによる資金の払い込みを伴わないデリバティブ取引やリバースレポ取引が可能になる他、レバレッジド・インバースETFにも同規則が適用されるとのことだ。新規則は、SECのウェブサイト及び連邦官報(Federal Register)で公開され、登録ファンドには18か月の移行期間が設けられている。

新規則の採択に際し、SECの委員長を務めるJay Clayton氏は以下のようにコメントしている。

数ある投資ファンドのポートフォリオ戦略やリスク管理において、デリバティブは重要な役割を担うようになっている一方、デリバティブ活用に係る規制策は時代に即していないものとなっております。新規則は投資会社法(Investment Company Act, ICA)に基づくレバレッジ制限を遵守しないデリバティブ取引を禁止しますが、全ての投資ファンドが投資家に対して、最も投資効率の高い金融商品の提供を可能にするものであります。私はスタッフの素晴らしい働きぶりに感謝いたします。

Jay Clayton, Chairman at the SEC - SECより引用

SECは広範な商品開発におけるイノベーションの発揮や、投資家による商品選択の多様化に加え、複雑な金融商品の活用に伴う全てのリスクに鑑みた規制フレームワークの構築にコミットしていく方針だ。

official release 2020.11.02

出典元:

ニュースコメント

目まぐるしく変化するグローバル規制環境

2015年12月、SECはデリバティブ活用に係る規則案を採択した。その際、レバレッジド・インバースETFはデリバティブ取引によるエクスポージャーを制限する規定に抵触するとされていた一方、投資家の間で活発な取引が行われていた。そのため、SECによる対応が注目されていたが、今回、一定の条件を満たすことで同商品の取引が認められたことから、更なる市場の活性化が期待できそうだ。他方で、SECは新たな規制フレームワークの構築に向けた動きを積極化しており、2020年9月にSECは店頭市場規制策を修正し、ブローカーに対して、取引価格の提示前に発行体のデューデリジェンスを義務付けた。グローバル市場に目を転じても、各国において規制環境が目まぐるしく変化している状況だ。直近では、ASICが個人投資家向けCFD規制策を正式に導入した他、ESMAは英国CCP3社に第三国CCPとして認可を与える方針を示している。世界各国で様々な規制策が打ち出される中、グローバル展開する海外FXブローカーはレグテックソリューションを活用し、効率的にコンプライアンス体制を構築することが求められていると言えそうだ。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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