ESMA、ブレグジットの移行期間終了に伴う準備徹底を要請

2020.07.22作成

2020.09.15更新

ESMA、ブレグジットの移行期間終了に伴う準備徹底を要請

ESMA

ライセンス・規制

2021年1月1日以降、市場参加者は対応策を完全実施する必要性

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は市場参加者に対して、英国のEU離脱に伴う移行期間が2020年12月31日に終了することに備え、適切なコンティンジェンシープランの導入徹底を要請する声明文を公表した。[1]

ESMAとEU各国の証券規制当局が、離脱協定(Withdrawal Agreement)なしのブレグジットに伴う協力及び情報交換に関して、英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority, FCA)と2019年2月1日に締結した覚書(MoU)は有効なものであり、移行期間は2020年末に終了する予定であるという。また、ESMAは2017年5月31日に公表した英国離脱に伴う監督上の整合性に関する意見書や、2017年7月13日に公表したセクター特化の意見書についても有効なものであり、特にオペレーション上のリスクに関してモニタリングを続けるとの考えを示している。ブレグジットの影響を受ける企業は、移行期間の終了に伴うリスクの減少に寄与する対策の徹底を図る必要があるほか、全ての企業がブレグジット関連情報を顧客に提供しなければならないという。

尚、ESMAは2020年の監督業務計画を公表した際、第三国中央清算機関(Third-Country CCP)と第三国証券保管振替機構(Central Securities Depositories)に対するブレグジットによる影響のモニタリングを強化する方針を明らかにしている。また、ESMAはTRV関連レポートを公表した際にも、ブレグジットなどに伴うリスクの高まりに懸念を示している。

移行期間は2020年2月1日から開始されており、足元ではEU法が英国に適用されている。ESMAが改めて移行期間の終了に備えた準備の徹底を求めているが、引き続き英国とEUによる貿易協定などの将来関係協定交渉の行方に市場の注目が集まっている状況だ。

official release 2020.07.22

出典元:

ニュースコメント

不透明感漂うブレグジット情勢

英国とEUは2020年末を期限とする移行期間中に、貿易協定や金融サービスなど多岐にわたる分野の交渉成立を目指している。英国は移行期間の終了に伴い、EU域内の1か国で事業認可を取得した場合、他のEEA(欧州経済地域)諸国それぞれにおいても事業を営むことが可能となるパスポーティング制度の権利を失う。そのため、同国にとっては大陸欧州への一定のアクセスを確保することが重要になってくるが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、両者による新たな関係性構築に向けた交渉は難航している模様だ。不透明感漂う市場環境下において、欧州顧客に継続的な証券サービスを提供すべく、三菱UFJ証券がアムステルダムに現地法人を開設した。また、英国とEUによる同等性評価に関する交渉がまとまらなければ、ゴールドマンサックス証券はドイツ子会社を欧州拠点に格上げする意向を示している。他方でブレグジット交渉は、英ポンド通貨ペアを中心に多くの取引機会をもたらしてきている。移行期間の終了が近づくにつれて、英国とEUの交渉が更に激しさを増すと予想される中、同通貨ペアの取引はボラティリティの拡大を伴いつつ盛り上がりを見せそうだ。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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