ESMA、上場企業の半期報告書に関する声明文を公表

2020.05.22作成

2020.05.22更新

ESMA、上場企業の半期報告書に関する声明文を公表

ESMA

ライセンス・規制

発行体に対し適切かつ信頼のおける情報提供を要請

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は5月20日、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、上場企業が作成する半期報告書に関する見解を示した声明文を公表した。[1]

ESMAは同声明文の中で、発行体が法定の公表期限を遵守して半期報告書を公表する際、適切かつ信頼のおける情報提供の重要性を訴えている。また、最新の年次決算の作成に当たり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う重大なリスクやゴーイングコンサーン(継続企業の前提)、非金融資産の減損処理、損益などに関する情報をアップデートする必要性も指摘している。

ESMAは新型コロナウイルスの影響を考慮した経営戦略や目標、業務オペレーション、業績に加え、同感染症の影響を軽減するための措置に関する企業特有の情報提供を求めている。また、国際会計基準(International Accounting Standards, IAS)第34号期中間財務報告(Interim Financial Reporting)に従って作成される財務報告書に関しても、声明文で指摘した事項を遵守する必要があるという。発行体の経営層や監査役会、監査委員会及び監査役がESMAの提言を十分に考慮に入れることを要請しており、特に監査委員会に対しては足元の困難な状況下において、質の高い半期報告書を作成する役割を担うことを求めている。

今後に関しては、ESMAと欧州各国当局が協働して国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards)【以下、IFRSと称す】で求められる要件の遵守状況や、声明文内で指摘した事項の対応状況を監督していく方針である。同局は欧州各国の上場企業による対応状況を踏まえ、2020年度年次報告書の規制に関する優先事項を2020年度執行業務に係るレポート内で公表する見通しだ。

official release 2020.05.22

出典元:

ニュースコメント

会計分野の世界共通のモノサシとして機能するIFRS

IFRSは、国ごとに異なる会計制度を統合した世界標準の会計基準である。2005年に、EUが域内の上場企業に対しIFRSを強制適用することを決定して以降、世界各国で同基準を適用する動きが広がっており、日本においても2019年6月末時点で217社が導入している。今回、ESMAは声明文の中で、IFRSを適用するグローバル企業の財務状況を比較するに際し、新型コロナ禍における経営環境を踏まえた、より有用性の高い財務情報の提供を求めていると言えるであろう。他方で、ESMAはローン担保証券の格付け関連レポートを公表したほか、EU各国当局に対してESMAが空売り規制延長に同意の方針をしている。また、ESMAはTRの延長登録を承認するなど、新型コロナ禍における金融市場の安定化に向けた施策を積極的に打ち出している状況だ。IFRSを適用する多くの上場企業が、今後も新型コロナウイルスの影響を踏まえた的確な財務情報を提供することで、投資家の効率的な投資意思決定に寄与することを期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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