ESMA、証券金融取引規則に基づき取引情報蓄積機関4社の延長登録を承認

2020.05.08作成

2020.09.15更新

ESMA、証券金融取引規則に基づき取引情報蓄積機関4社の延長登録を承認

ESMA

ライセンス・規制

2020年5月7日より適用

欧州証券市場監督局【以下、ESMAと称す】は、証券金融取引規則【以下、SFTRと称す】に基づき、証券金融取引【以下、SFTと称す】情報の収集や保存に関する業務を行う取引情報蓄積機関【以下、TRと称す】4社の延長登録を承認した。[1]

今回延長登録が承認されたのは、DTCC Derivatives Repository plcとUnaVista TRADEcho B.V.、Krajowy Depozyt Papierów Wartościowych S.A.、 REGIS-TR S.A.の4社で、2020年5月7日より適用されるとのことだ。これらのTRは既に欧州市場インフラ規則【以下、EMIRと称す】に基づくデリバティブ取引に係るTRとしてESMAに登録されているほか、レポ取引や貸借取引、現先取引、委託証拠金等の融資といったSFTの全ての取引を取り扱うという。

SFTRは証券金融取引市場の透明性の向上を目的とし、全てのカウンターパーティーに対してSFT関連の詳細情報をTRへ報告する義務を課している。また、欧州域内におけるEMIRとSFTRの遵守を徹底すべく、ESMAはTRの唯一の監督機関として、同機関の登録及び直接監督する権限を付与されている。TRはSFT情報の収集や保存業務を担っており、同機関として登録されることで、カウンターパーティーにとってはTRを活用し、SFTRの取引報告義務を遵守できるようになるという。TRとして登録されるには、特に業務の信頼性や保護、記録、透明性、データの有効性といったSFTRを遵守する必要がある。尚、報告義務に関しては、欧州域内における新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を軽減するための措置が講じられている。[2]

尚、ESMAはESGディスクロージャー要件関連のノーアクションレターを発行したほか、ESMAはMASと覚書を締結するなど、健全な金融市場の形成やクロスボーダー取引の活性化に向けた動きも強めている。そして今回、同局がTRの延長登録を承認し、適切にモニタリングを行うことで、透明性の高い証券金融市場の形成に寄与することを期待したい。

official release 2020.05.08

出典元:

ニュースコメント

ESMAの重点監督分野に位置づけられるTR

2009年9月にG20ピッツバーグ・サミットが開催され、店頭デリバティブ市場の改善を図るべく、同取引関連情報をTRに報告する旨の国際的な合意がなされた。汎欧州の金融規制を司るESMAは2020年の監督業務計画を公表した際、TRのモニタリングを重点監督事項に定め、データクオリティや当局によるアクセスの確保など積極的に取り組むとしている。また、同局はTRの取引データ取扱いガイドライン関連の諮問書を公表したほか、同機関に関するフォローアップレポートを公表するなど、TRの適切な運営に寄与する規制スキームの構築に向けて様々な施策を講じている。特に同レポート内では、サービス提供に係るコストの記録やモニタリング機能の向上などを要請しており、TRの運営に関しては改善の余地が大きいと見ている模様である。他方で、TRへの報告サービスを展開しているTRActionがMetaTrader5(MT5)用レポーティングサービスを開始している。TRを巡っては今後も規制環境が変化する可能性があるため、規制に対応したソリューションを提供する金融サービスプロバイダーの動向に注目したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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