ESMA、ESGディスクロージャー要件に関するノーアクションレターを発行

2020.05.01作成

2020.05.13更新

ESMA、ESGディスクロージャー要件に関するノーアクションレターを発行

ESMA

ライセンス・規制

関連の委任法令を適用させる必要性を主張

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は各国規制当局【以下、NCAsと称す】と協調し、EU金融ベンチマーク規則(EU Benchmarks Regulation)【以下、BMRと称す】下において、ベンチマーク・アドミニストレーター(Benchmark Administrator)に求められるESG(環境、社会、ガバナンス)ディスクロージャー要件に関するノーアクションレターを発行した。[1]

BMRにおいては、ベンチマーク・アドミニストレーターが2020年4月30日までの遵守を義務付けられた新たなESGディスクロージャー要件として、ESGベンチマークを組成する際にメソドロジーへ対しESG要素を反映させているか公表しなければならない。また、ベンチマークステートメントにおいてもESG要素をどのように組み入れているかを開示することが求められている。ESMAとNCAsは関連の委任法令(Delegated Act)を適用させる前に、各ベンチマーク・アドミニストレーターがBMRに基づくESGディスクロージャー要件を満たすことは困難であるとの認識を示している。

ESMAはNCAsに対し、委任法令の適用前にESGディスクロージャー要件に関する監督もしくは強制措置を講ずべきではなく、リスクベースの監督及び規制の導入を検討する必要があると見ている。また欧州委員会(European Commission)【以下、ECと称す】に対しては、委任法令の適用の遅れは避けなければならないという意見書を公表した。

尚、ECは2020年4月8日に1か月間のパブリックコンサルテーションの期間を設けた委任法令の草案を公表した。その後、施行開始前に欧州議会及び欧州理事会にて同法令の承認手続きが行われる見通しだ。

official release 2020.05.01

出典元:

ニュースコメント

グローバル機関投資家が注目するESGベンチマーク

主要ベンチマーク・アドミニストレーターのFTSEインターナショナルやMSCIなどが組成するベンチマークは、世界中の機関投資家が運用パフォーマンスを測定する際に参照している重要指標だ。グローバルでESG投資が盛り上がりを見せる中、特に両社が開発するESGベンチマークに関しても注目度が高まっている。他方で、ESMAは2020年の監督業務計画を公表した際、BMRなどの規則に基づく新たな監督スキームの構築を計画しているという。またESMAはMASと覚書を締結し、シンガポールのベンチマーク活用を模索しているほか、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)とも同様の覚書を締結するなど、グローバル各国と協調して第三国ベンチマーク規制の構築を目指している。同局はベンチマークの正確性と信頼性を確保するための動きを積極化させる中、BMRを適切に運用する上で、関連の委任法令を極力早く適用させる必要があると見ている模様だ。尚、民間レベルにおけるESG関連動向に目を転じると、リフィニティブが気候変動対策への取り組みを強化している。より健全性の高い金融市場の構築に向け、政府及び規制当局が実効性のあるBMR関連法令を適用することを期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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