MAS、為替介入実績データの公表日前倒しを発表

2020.04.08作成

2020.05.13更新

MAS、為替介入実績データの公表日前倒しを発表

シンガポール金融管理局

ライセンス・規制

2020年4月9日より公表予定

シンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore)【以下、MASと称す】は4月6日、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、金融市場への迅速な情報公開を行うべく、為替介入事務に係る実績データの公表日を前倒しすることを発表した。[1]

MASは為替介入事務の実績データの公表を、従来の2020年6月から2020年4月に前倒しして開始するとのことだ。為替介入データは2019年7月1日から同年12月31日までの期間で、同局ウェブサイトの統計ページにて4月9日から公表されるという。MASにとって金融政策を実施するうえで為替介入は必要不可欠なことであり、この決定は同局の政策サイクルに沿うと共に、MASの動向及び政策スタンスに関する情報をタイムリーに提供する目的がある模様だ。同局は今後、4月と10月の第一営業日に6か月間の全実績データを3か月ラグで公表する方針であるとコメントしている。

尚、シンガポールの中央銀行にあたるMASは、自国通貨であるシンガポールドルの価値安定を図るべく、金融政策の一環として為替相場の変動幅を一定に抑える為替相場管理を実施している。また、同局は消費者物価指数(Consumer Price Index, CPI)の上昇ペースを重要視しており、インフレ状況に応じて通貨の売買を行っている。そして今回、MASが迅速な情報公開を行うことにより、金融市場の安定化に寄与することを期待したい。

official release 2020.04.08

出典元:

ニュースコメント

シンガポールにおける通貨の番人、MAS

MASは、主要貿易相手国の通貨を各国の貿易量で加重平均した通貨バスケット制を敷き、名目実効為替レート(Nominal Effective Exchange Rate, NEER)を管理している。そして、NEERの傾斜と中央値、及び許容変動幅を政策手段とした為替相場管理を実施している。FCAが最良執行の報告義務要件を緩和したように、グローバル各国当局が新型コロナウイルスへの対応策を打ち出すなか、MASも3月30日、同ウイルスの自国経済への影響を緩和すべく、NEERの傾斜をゼロとすると共に中央値を引き下げる金融緩和策を講じた。シンガポールにおいても、新型コロナウイルスの影響が深刻なものになっていると推察される。他方で、アジア最大のFX市場を誇る同国には多くの金融サービスプロバイダーが集結しており、足元でSynOptionがFXオプション取引プラットフォームをリリースしている。また、シンガポールの仮想通貨業界に多額の投資が流入しており、同国政府は更なる経済成長に向けたデジタルイノベーションを推進している模様である。今後もMASが通貨の安定を図ると共に政府がこの変革をサポートする施策を講じることで、シンガポール経済の底堅い成長が期待できそうだ。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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