ESMA、通話録音に関する声明文を公表

2020.03.25作成

2020.03.25更新

ESMA、通話録音に関する声明文を公表

ESMA

ライセンス・規制

MiFIDⅡで求められる通話記録の遵守を要請

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は、第二次金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive Ⅱ)【以下、MiFIDⅡと称す】に基づく通話録音に関する見解を示した声明文を公表した。[1]

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響を受け混乱する市場環境下において、MiFIDⅡで求められる通話記録が実践されない事態を想定し、ESMAは各金融機関に対して、同指令に基づき適切に通話記録を行うことを促している。DRサイト(災害など緊急時の代替拠点)での業務遂行もしくは在宅勤務などを求める異常事態が発生している状況において、仮に企業が通話記録をできなかった場合、記録不備によるリスクを軽減させる代替策を講ずるべきだという。また、緊急時対応は一時的なものであり、企業は極力速やかに通話記録を再開するため最大限努力する必要があるとコメントしている。

ある市場参加者は、DRサイトにおいて電話記録をフル稼働させるべきであるが、実環境下において試験されたことはなく、アップグレードの必要性もあるという。また在宅勤務の場合、携帯電話の通話記録は難しいが、インターネット電話を活用することで、より容易に通話記録ができ、MiFIDⅡの遵守が可能とのことだ。更に、ESMAはブラックスワン(市場で事前に予想することが難しく、発生した衝撃が大きな事象)に対する一定の柔軟性を確保する素晴らしい仕事を行っているとコメントしている。

ESMAは各国規制当局と連携して、新型コロナウイルスの動向を踏まえた上で、市場参加者が遵守すべき規制の適用状況を含む金融市場動向のモニタリングを継続させる模様である。また、同局は秩序と安定性ある金融市場の確保及び投資家保護のために権限を行使する準備を進めているとのことだ。

official release 2020.03.25

出典元:

ニュースコメント

フィンテック企業との共生が進む金融業界

新型コロナウイルスのパンデミックを受け、ESMAがネットショートポジションの報告を要請したほか、EU各国の規制当局が空売りを禁止するなど、各国当局が金融市場の安定化に向け様々な緊急措置を講じている状況だ。他方で、ESMAが規制を遵守した通話記録を求めるなか、フィンテックを活用した通話録音業務の効率化を図る事例も散見されている。例えば、三井住友フィナンシャルグループなどがAIを利用した通話録音記録の実証実験を完了させており、通話録音記録確認の高度化及び効率化に繋がる一定の成果を得られている模様だ。その他にも、多くの金融サービスプロバイダーがフィンテック企業と協働したソリューションの開発を推し進めている。中でもGold-iはconv.rsと提携することにより、各種メッセージアプリを活用した顧客コミュニケーションを実現させた。今後も、海外FXブローカーやフィンテック企業が連携することで、投資家にとって取引の安全性や利便性の向上に繋がる画期的なサービスが提供されることを期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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