ESMA、ネットショートポジションの報告を要請

2020.03.18作成

2020.03.18更新

ESMA、ネットショートポジションの報告を要請

ESMA

ライセンス・規制

発行済み株式総数の0.1%以上に達した場合、報告義務が発生

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は、欧州市場において株式取引を行う投資家を対象に、ネットショートポジションの割合が発行済み株式総数の0.1%以上に達した場合、その旨を各国規制当局(National Competent Authorities)【以下、NCAsと称す】へ報告することを求める決断を下した。[1]

パンデミックとの評価が下された新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により市場が混乱を極めるなか、ESMAが予防策として従来よりもレポーティング基準を引き下げたことは、市場動向をモニタリングする上で不可欠である模様だ。この報告義務により、秩序と安定性ある金融市場の確保及び投資家保護に繋がり得ると見ている。また、同局は現在の欧州市場は深刻な脅威に直面しており、その程度を把握するために、今回の報告義務は適切な措置になると考えている。

報告義務は即座に適用され、ネットショートポジションの投資家は、2020年3月16日取引時間終了時に、NCAsに対し該当ポジションを報告しなければならないという。この一時的な透明性義務は、居住国に関わらず、全ての個人と法人に適用されるとのことだ。ただし、第三国の規制市場における取引施設にて行う株式取引やマーケットメイキング(値付け)、及び市場の安定化に期する投資に関しては、今回の義務が適用されない模様である。

ESMAはNCAsと協働して新型コロナウイルスの影響を受ける金融市場動向のモニタリングを続けると共に、秩序と安定性ある金融市場の確保及び投資家保護のために権限を行使する準備を進めているとのことだ。

official release 2020.03.18

出典元:

ニュースコメント

コロナショックに震える金融市場

新型コロナウイルスの影響を受け、金融市場は大混乱をきたしている。これを受け、日米欧の金融当局が揃って追加の金融緩和策を講じた。しかしながら、NYダウが過去最大の下げ幅を更新し続けるなど、マーケットは不安定化した状態のままである。恐怖指数と呼ばれるVIX指数も大きく上昇しており、多くの投資家が先行きに不安を抱いていると推察される。また、連日にわたりニューヨーク市場でサーキットブレーカーが発動されていることに加え、ビットコイン価格の暴落を受け、ローン市場でマージンコールが発生するなど、新型コロナウイルスの感染拡大は、金融市場の様々なアセットクラスに甚大な影響を及ぼしている状況だ。このような市場環境下においては、安定した取引サービスを提供する金融サービスプロバイダーに注目したい。例えば、CFH ClearingがYour Bourseと提携したほか、FXCM ProがMaxxTraderを活用し、それぞれ流動性サービスの強化を図っている。市場の乱高下が続くなか、トレーダーは市場からの退場を避けるためにも、常に資金管理を徹底させる必要がありそうだ。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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