ESMA、ゲームストップ株のような踏み上げを懸念

2021.02.19作成

2021.02.19更新

ESMA、ゲームストップ株のような踏み上げを懸念

ESMA

その他

ソーシャルメディア上の情報を基にした投資判断を下すことに注意喚起

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は、ソーシャルメディアから入手した情報を基に投資意思決定を下す個人投資家が増加していることに対して懸念を示している。[1]

米国市場では、Reddit【以下、レディットと称す】のフォーラムであるWallStreetBets(ウォールストリート・ベッツ)で繋がる個人投資家が共闘し、大量に空売りされていたGameStop【以下、ゲームストップと称す】株のような一部銘柄を買い漁り、市場が混乱する事態に発展していた。米国と欧州では株式市場の構造が異なるものの、ESMAは同様の混乱が欧州市場においても生じることを警戒しているという。

また、ESMAは個人投資家がソーシャルメディア上で、未認可の投資アドバイザーから助言を受けることに対して強い懸念を示している。同局は個人投資家に対し、信頼性や情報の質を担保できない場合、ソーシャルメディアや未認可のオンラインプラットフォームのみから情報を入手し、投資意思決定を下すことに注意を促している状況だ。加えて、ESMAは投資目的や分散投資のメリット、リスク許容度を踏まえつつ、信頼性の高いソースから情報を取得して投資意思決定を下すことが重要だと言及している。

ESMAは資本市場同盟(Capital Markets Union, CMU)を構築するための基礎となる個人投資家の株式市場への参入を促しているが、個人投資家はボラティリティリスクを抱えていることを理解する必要があるという。大量の空売りといった複数の要因がボラティリティに影響を及ぼしており、各銘柄の値動きが急に止まったり、逆行したりすることで、個人投資家は大きな損失を被る可能性があるとのことだ。

ESMAと欧州各国当局は、市場を分析すると共に、欧州市場でゲームストップ株の踏み上げのような市場の混乱を回避すべく、新たな個人投資家保護策の導入を検討していく方針だ。

official release 2021.02.19

出典元:

ニュースコメント

投資教育関連ソリューションを強化する海外FXブローカー

米国を発端とするレディット騒動に関しては、同国の金融業規制機構(FINRA)がブローカーのソーシャルメディア利用に関する調査に乗り出す可能性が浮上している。また、2021年5月2日まで韓国FSCが空売り禁止措置を延長するなど、グローバル各国当局が市場の混乱への対応を進めている状況だ。近年、個人投資家の間では、Facebook(フェイスブック)などのSNSや、Youtube(ユーチューブ)などの動画・写真共有サイト、Twitter(ツイッター)などのマイクロブログといった類型を持つソーシャルメディアを活用した投資情報の発信・共有が活発になっている。それに伴い、ソーシャルメディア上で投資詐欺や虚偽情報が蔓延していることも事実だ。実際に、直近では一部メディアの虚偽情報を受け、XMが価格の不正操作を完全否定する事態に発展していた。他方で、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックをきっかけに投資初心者が急増する中、投資教育サービスの充実化を図る海外FXブローカーも散見されている。例えば、IG Groupがtastytradeに買収提案し、投資教育プラットフォームの強化を試みている。個人投資家の投資行動が変容する中、多くの海外FXブローカーが市場実勢に即した画期的なソリューションを提供することに期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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