CLSNetにアルファ銀行とファースト・アブダビ銀行が加入

2021.01.15作成

2021.02.12更新

流動性拡大や決済リスクの軽減に寄与

多通貨同時決済(Payment versus Payment)【以下、PvPと称す】の専門機関であるCLS(Continuous Linked Settlement)は1月13日、バイラテラルネッティングサービスを提供するCLSNetに、ロシアを拠点とする金融機関であるAlfa-Bank【以下、アルファ銀行と称す】と、アラブ首長国連邦(UAE)最大の銀行であるFirst Abu Dhabi Bank【以下、FABと称す】が加入したことを発表した。[1]

分散台帳技術(Distributed Ledger Technology, DLT)を基にしたCLSNetは、FX市場におけるネッティングサービスの標準化及び機能向上に寄与している。同サービスはCLSのネットワークに加入する企業のみならず、同社に口座を開設していない銀行やバイサイド投資家も利用することが可能であり、日中の流動性拡大やCLSで決済されない通貨のリスク軽減を図ることができるという。

アルファ銀行とFABは、それぞれロシアとUAEにおいてCLSNetに加入する初の金融機関になるとのことだ。同ネットワークにはバンクオブアメリカ(Bank of America)や中国銀行(Bank of China)、BNPパリバ(BNP Paribas)、ゴールドマンサックス(Goldman Sachs)、モルガンスタンレー(Morgan Stanley)などのグローバルプレーヤーが既に加入している。

アルファ銀行の副会長を務めるAndrew Chulack氏は、CLSで決済されないロシアルーブルなどを取引する際のリスク軽減や業務効率の改善を図る上で、CLSNetへの加入は必要不可欠であると言及している。また、FABのシニアバイスプレジデントを務めるAnan Samaneh氏は、同ネットワークに加入する中東初のプレーヤーとなったことは、新興市場のスペシャリストとして革新性の発揮にコミットしている証しであり、中東市場における他の金融機関もCLSNetに加入することで、決済サービス水準の向上を期待していると述べている。

今回、新たに2行がCLSNetに加入することについて、CLSのグローバル商品部門ヘッドを務めるKeith Tippell氏は以下のようにコメントしている。

新興市場のリーダーともいえる2行がCLSNetに加入したことで、新興国通貨を取引するFX市場参加者に対して同ネットワークをアピールすることができるでしょう。FX業界において、決済リスクの軽減に高い関心が集まる中、我が社は広範な市場参加者による利用と、流動性の最適化や決済の確実性に関連した新たな機能を開発すべく、CLSNetへの投資を拡大しております。

Keith Tippell, Head of Global Product of CLS - CLSより引用

グローバル金融機関の間で高機能な決済ソリューションに対するニーズが高まる中、2020年6月にはゴールドマンサックスがCLSの決済サービスを導入している。CLSは主力PvPツールのCLSSettlementやCLSNetを通じて決済リスクの軽減などを図れることから、今後も同社のサービスを活用する金融機関の増加が期待できそうだ。

official release 2021.01.15

出典元:

ニュースコメント

中東の金融市場をリードするUAE

中東市場の金融ハブを形成するUAEは、官民双方で先進的な取り組みを推進しており、更なる市場の活性化が期待されている。例えば、ICEフューチャーズ・アブダビはCTFCよりFBOT承認を取得し、中東市場としては初の取り組みとなるマーバン原油を原資産とする先物取引サービスを提供する方針だ。また、中東最大のデリバティブ商品取引所を運営するDGCXはローリング・フォワードを上場するなど、継続的に革新的なソリューションの提供を試みており、順調に業績を拡大している。更に、サウジアラビア中央銀行(Saudi Central Bank, SAMA)とUAE中央銀行は、Aberと呼ばれる中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency, CBDC)開発プロジェクトを推進している。市場の拡大が見込まれるUAEでは、MultiBankやCFH Clearingといった海外FXブローカーが市場開拓を進めている状況だ。中東の金融市場をリードする同国において、多くの海外FXブローカーが顧客ニーズにマッチした革新的なソリューションを提供することに今後も期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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