CME、2月8日に日本の電力・LNG先物を上場

2021.01.11作成

2021.01.11更新

効率的なリスク管理ツールとスプレッド取引機会を提供

世界最大のデリバティブ取引所を運営するCME Group Inc.(本社:20 South Wacker Drive Chicago, Illinois 60606 USA[1])【以下、CMEと称す】は、日本の電力先物と液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)【以下、LNGと称す】先物を2月8日に上場することを発表した。[2]

CMEが新たにリリースする電力先物は、東京と関西エリアそれぞれを対象にしたベースロード(24時間)と日中ロード(午前8時から午後8時)の計4種類となる。いずれの商品も、日本卸電力取引所が公表するスポット市場の30分単位に区切られた価格の平均値を使用するという。またLNG先物に関しては、日本・韓国市場とJapan Crude Cocktail(JCC)の2種類となる。前者はS&Pグローバルプラッツ(S&P Global Platts)が発表する日次の日本・韓国向けスポット価格指標であるDES Japan/Korea Marker(JKM)を参照とする。一方、後者は日本の財務省が公表する9種類の原油平均通関価格に基づいている。電力・LNG先物いずれの商品も、円建てで決済するとのことだ。

CMEの電力・LNG先物は、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(New York Mercantile Exchange)【以下、NYMEXと称す】に上場し、NYMEXの規則・規定が適用されるという。また、同社が運営する電子取引システムであるグローベックス(GLOBEX)上で取引することができ、傘下のCMEクリアポート(ClearPort)を通じて清算が行われるとのことだ。CMEは日本のエネルギー先物商品の取り扱いを開始することにより、グローバルベースでエネルギー関連商品ラインナップの拡充を図ると共に、ブロック取引(同一銘柄を一度に大量に相対取引で売買)を行うトレーダー向けに清算機能を提供していく意向である。

新商品のリリースに際し、CMEの駐日代表を務める数原泉氏は以下のようにコメントしている。

日本の卸電力市場は完全に自由化され、数百社に上る小売業者や生産業者が参入しており、より健全なデリバティブ市場を形成する機会が生み出されております。我々は新たな電力先物商品をリリースし、市場参加者に効率的なリスク管理ツールを提供できることを喜ばしく思っております。また、円建てのLNG先物を上場することにより、LNGと電力先物のスプレッド取引機会を提供できるでしょう。

Izumi Kazuhara, Head of Japan of CME Group - CME Group Inc.より引用

CMEはグローバルベースで商品ラインナップを拡充することで、更なる顧客基盤の拡大が期待できそうだ。

official release 2021.01.11

出典元:

ニュースコメント

勢いを増すCME

CMEが1月5日に公表した2020年度通期決算において、平均日次取引高【以下、ADVと称す】が1,910万枚になったという。商品別のADVで見ると、株価指数や金属、天然ガス、大豆油などの先物・オプション取引におけるADVが過去最高に達した。2020年3月、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、金商品取引の流動性が枯渇する中、CMEは金先物商品をリリースした他、CMEはマイクロEミニ先物オプションもリリースするなど、顧客ニーズにマッチした商品を矢継ぎ早に提供している。また、市場が急拡大している仮想通貨分野においても、同社はイーサリアム(Ehereum)先物を2021年2月8日に上場する予定であり、更なる業績拡大が期待できそうだ。他方で、CME以外にもコモディティ分野のサービスを強化する金融サービスプロバイダーが散見されている。例えば、ICEフューチャーズ・アブダビがCTFCよりFBOT承認を取得し、マーバン原油(Murban Crude Oil)を原資産とする先物取引サービスを提供する計画である。コロナショックをきっかけに、グリーンエネルギーを含むエネルギー分野に注目が集まる中、多くの金融サービスプロバイダーが画期的なソリューションを提供することに今後も期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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