ECB、追加金融緩和を決定

2020.12.14作成

2020.12.15更新

パンデミック緊急購入プログラムの資産購入枠を増額

欧州中央銀行(European Central Bank)【以下、ECBと称す】は12月10日、新型コロナウイルス(COVID-19)感染の第2波に対応すべく、パンデミック緊急購入プログラム(Pandemic Emergency Purchase Program)【以下、PEPPと称す】の買い入れ増額及び貸出条件付き長期資金供給オペレーション第三弾(Targeted Longer-Term Refinancing Operations)【以下、TLTRO III】の期間延長などを柱とする、追加の金融緩和策を講じた。[1]

PEPPに関しては、買い入れ金額の上限を5,000億ユーロ増額して総額1兆8,500億ユーロとした他、買い入れ期間を少なくとも2022年3月末まで延長した。また同プログラム下において購入した証券については、満期償還金の再投資を少なくとも2023年末まで延長している。ECB理事会は、新型コロナ危機の収束を判断するまで同プログラムを継続する方針だ。

TLTRO IIIに関しては、適用金利の軽減措置を2022年6月まで1年間延長した。また、2021年6月から12月までの間に合計3回の追加オペレーションを実施する他、金融機関による落札上限を適格貸出残高の50%から55%へと引き上げた。更に、適格担保の拡大措置を2022年6月まで延長すると共に、TLTRO IIIに対するブリッジファイナンス(つなぎ融資)の役割を果たすパンデミック緊急長期資金供給オペレーション(Pandemic Emergency Longer-Term Refinancing Operations, PELTROs)に関しては、2021年に4回追加実施するという。ECBはこれらの施策を通じ、金融機関による現行の貸出水準を維持する意向である。

尚、ECBは政策金利を0%、中銀預金金利を-0.5%に据え置き、インフレ率については目標の2%をわずかに下回る水準に落ち着くまで低金利政策を継続するという。新型コロナ禍において、ECBは緩和的な金融政策を維持すると共に、中長期のインフレ見通しを踏まえて為替動向を注視する方針だ。

official release 2020.12.14

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ニュースコメント

ニューノーマルに即したソリューションの提供を強化する金融サービスプロバイダー

ECBが新型コロナウイルス対策として追加金融緩和を決定したことに加え、EU(欧州連合)はコロナ復興基金と中期予算に関して合意に達した。これにより、欧州当局は、新型コロナウイルスの感染拡大により甚大な影響を受ける経済の再生と、環境対策やデジタル投資を推進していく方針だ。他方で、新型コロナ禍において、チャレンジャーバンクやフィンテック企業など、多くの金融サービスプロバイダーがニューノーマルに即したソリューションの提供を推進している。直近では、Rockerが生体認証カード発行に向けてパイロットテストを実施予定である他、LCHはSURE関連の債券清算を開始する方針を示している。また、取引手数料無料の投資アプリBUX Zeroが人気を博しているBUXはドイツのユーザー数が10万人を突破すると共に、運用資産残高(AUM)は約3倍に急増しているという。欧州では新型コロナウイルス感染の第2波が到来し、人々の生活様式及び投資行動に変化が見られる中、金融サービスプロバイダー各社が顧客ニーズにマッチした画期的なソリューションを提供することに今後も期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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