LCH、SURE関連の債券清算を開始する予定

2020.10.16作成

2020.10.16更新

欧州金融市場の安定化にコミット

世界有数の専業清算機関であるLCH(本社:Aldgate House, Aldgate High Street, London EC3N 1EA, UK[1])は、失業リスクを緩和するための緊急支援策であるThe temporary Support to mitigate Unemployment Risks in an Emergency【以下、SUREと称す】の一環として発行される債券の清算を開始する予定であることを発表した。[2]

SUREとは、時短勤務手当などの支援を目的として、欧州当局がEU(欧州連合)加盟16か国に対して行う874億ユーロに上る融資プログラムのことである。LCHは、傘下のフランス子会社であるLCH SAが提供するレポクリア(RepoClear)サービスを通じて、同プログラムを実行するための資金調達として発行される債券を清算する予定とのことだ。市場参加者にとっては、カウンターパーティーリスク管理や業務及び資本効率を向上させることができるという。尚、LCH SAは13か国の国債市場において、ユーロ建て債券とレポ取引の清算を手掛けており、今後は新型コロナウイルス(COVID-19)危機に対する復興基金であるNext Generation EUの資金調達として発行される債券の清算も開始する意向だ。

新たな清算サービスの開始に際し、LCH SAのCEOを務めるChristophe Hémon氏は以下のようにコメントしている。

新型コロナウイルスは、世界中の公衆衛生と労働市場に甚大な影響を及ぼしています。EUのSUREは、欧州全域の雇用スキームを支援する融資プログラムであります。我が社は金融の安定化にコミットすると共に、同プログラムをサポートし、新たに発行される債券の清算を通じて欧州経済の復興に貢献することを喜ばしく思っております。

Christophe Hémon, CEO, LCH SA - LCHより引用

欧州に新型コロナウイルス感染の第2波が迫る中、官民が一体となって効果的な金融支援を実施することで、雇用の安定化に繋がることを期待したい。

official release 2020.10.16

出典元:

ニュースコメント

中央清算業界をリードするLCH

ロンドン証券取引所グループ(LSEG)傘下のLCHは、金利スワップ取引の清算で世界シェアの9割超を占め、市場の成長が見込まれる中央清算業界のガリバーだ。ブレグジット情勢が混沌とする中、ESMAがLCHに第三国CCPとしての認可を与える方針を示したことから、ブレグジット後も継続的に欧州全域で清算サービスを提供できる見通しである。また、同社傘下にて店頭FX取引関連の清算サービスを手掛けるForexClearがTradeNeXusと統合し、更なる顧客基盤の拡大を模索している。他方で、ESMAが2021年の監督業務計画を公表した際、第三国CCPの直接監督を注力分野として挙げた。更に、ユーレックス・クリアリングがJFSAからライセンスを取得し、日本の金融機関と金利スワップ取引の清算を初めて実現させるなど、中央清算業界における規制及び競争環境は目まぐるしく変化している。このような市場環境下において、業界のリーディングカンパニーであるLCHが更なる業容拡大に向けて如何なるソリューションを提供するか注目したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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