UBSとクレディスイスが合併を模索

2020.09.16作成

2020.09.16更新

2021年初頭までの合意を目指す

スイスを拠点とする投資銀行のUBS(本社:Bahnhofstrasse 45, Zurich[1])とCredit Suisse(本社:Paradeplatz 8 8001 Zurich[2])【以下、クレディスイスと称す】が、合併を模索していることが明らかになった。[3]両行の合併が実現した場合、米国の巨大投資銀行に伍する欧州最大規模の投資銀行が誕生する。

スイスのニュースサイトであるInside Paradeplatzによると、Signalと呼ばれる両行の合併交渉は、UBSの会長を務めるAxel Weber氏が主導し、クレディスイスの会長であるUrs Rohner氏及びスイス財務相を務めるUeli Maurer氏と協議しているという。合併後の新銀行においては、Weber氏が会長に就任し、クレディスイスからCEOを選出する見通しである。2021年初頭までの合意を目指しているとのことだが、両行から正式なコメントは公表されていない。

UBSとクレディスイスの合併には規制当局からの厳格な審査が待ち受けており、容易に承認される見通しではない。また、両行全行員の10%から20%に相当する約15,000人を削減する計画であるという。尚、投資家は今回の報道に対してポジティブな反応を示しており、合併交渉が明らかになった9月14日には、UBS株が1.4%、クレディスイス株が3.4%上昇した。

両行の合併は業界構造を塗り替える可能性があるため、引き続き交渉の行方を見守りたい。

official release 2020.09.16

出典元:

ニュースコメント

経営体質の強化を急ぐグローバル金融機関

UBSとクレディスイスは、共に150年以上の歴史と伝統を誇る欧州の有力投資銀行だ。両行はマイナス金利の長期化により収益性が悪化している他、2020年に入ってからは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、経営に更なる打撃を受けている。そのため、UBSとクレディスイスは、合併を機に経営のスリム化を推進すると推察される。グローバル金融機関にとって収益性や経営体力の改善は共通の課題であり、2019年7月にはドイツ銀行が大規模リストラを敢行した他、直近ではスペインの大手銀行カイシャバンク(CaixaBank)とバンキア(Bankia)が経営統合の検討に入っている。また顧客獲得競争が激化する市場環境下において、新たな付加価値ソリューションを提供するための取り組みも活発化している状況だ。例えば、INTLがGAINの買収を発表した他、チャールズ・シュワブはTD Ameritradeと取引プラットフォームを統合する計画を明らかにしている。経営体質の強化に向けたM&A(企業の合併・買収)が今後も活発化すると予想される中、豊富な経験を有する金融機関が手を組み、顧客の利便性向上に寄与する画期的なソリューションを提供することに期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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