SGX、デリバティブ関連分析サービス会社Cassini Systemsと提携

2020.08.28作成

2020.09.15更新

非清算店頭デリバティブ取引に係る証拠金規制の遵守をサポート

アジア最大のFX市場規模を誇るシンガポール取引所(本社:2 Shenton Way, #02-02 SGX Centre 1, Singapore 068804[1])【以下、SGXと称す】は、非清算店頭デリバティブ取引に係る証拠金規制(Uncleared Margin Rules)【以下、UMRと称す】の遵守をサポートするサービスを無料で提供すべく、デリバティブ取引に係る証拠金及び担保管理分析ソリューションを提供するCassini Systems(本社:148 Leadenhall Street, London EC3V 4QT[2])【以下、Cassiniと称す】と提携したことを発表した。[3]

今回の提携を通じて、SGXはCassiniの専門性を活用し、非清算集中デリバティブ取引の連結平均元本総額(Average Aggregated Notional Amount)【以下、AANAと称す】を把握できる分析サービスを提供するという。これにより、UMRのフェーズ5における500億ドルというAANAの閾値(しきいち)を超える可能性がある企業に対し、保有資産の把握や修正及び代替資産への投資の検討に寄与するとのことだ。また両社はSGXの市場参加者を対象として、数か月後にはウェビナーを通じた教育サービスも提供する方針である。

両社の提携に際し、SGXのFX・金利部門ヘッドを務めるKC Lam氏とCassiniのCEO兼創業者のLiam Huxley氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

2022年9月までに、1,000社以上の金融機関がUMRの影響を受ける見込みであるため、規制対応準備を始めることが重要です。同規制分野において最高クラスのソリューションを提供するCassiniは、我が取引所にとって最適なパートナーと言えるでしょう。市場参加者が店頭(OTC)取引に係るポジション情報を提示して頂ければ、我々は同社と協働して適宜かつ包括的な分析サービスを提供いたします。UMRは、多くのお客様にとってコスト負担の増加を避けることができません。我が取引所は同規制への対応に寄与するFX先物商品に加え、今後はAANAの引き下げをサポートするソリューションを提供いたします。

KC Lam, Head of FX and Rates of SGX - Cassini Systemsより引用

フェーズ5の閾値を超える可能性のある企業は、UMR関連の義務負担軽減や規制対象に含まれることを遅らせるべく、即座にAANAの把握とポートフォリオの再配分を検討すべきです。規制当局に関連情報を提出するまで対策を講じないのでは、対応が遅すぎるでしょう。我々はSGXが今回のイニシアチブを推進することを歓迎すると共に、同取引所や世界中の主要金融機関に対して、専門的なサービスを提供することを喜ばしく思っております。

Liam Huxley, CEO and founder of Cassini - Cassini Systemsより引用

2020年4月、Cassiniはアジアパシフィック(APAC)地域における初の拠点として、シドニーに新オフィスを開設し、顧客基盤の拡大を図っている。

尚、他の証券取引所の動向に目を転じると、JPXが先物・オプションの市場移管を完了した他、SIXがテーマ型ETFを上場している。そして今回、SGXはCassiniと手を組み、UMR関連のサービス提供を開始することで、更なる顧客満足度の向上が期待できそうだ。

official release 2020.08.28

出典元:

ニュースコメント

フェーズを追って段階的に厳格な規制基準が敷かれるUMR

銀行やアセットマネージャー、ヘッジファンド、年金基金などの各金融機関は、AANAがフェーズごとに設けられた閾値を超えた場合、UMRの対象に含められ、ドキュメンテーションやカストディ、オペレーションなど様々な義務を課せられる。同規制のフェーズ5は2021年9月に施行される計画であり、金融機関のAANAが閾値を上回った場合、5,000万ドル以上のバイラテラルな店頭取引を行う市場参加者は、当初証拠金(IM)を差し出さなければならない。また、UMRのフェーズ6は2022年9月に導入される見通しであり、AANAの閾値は80億ドルとなる。フェーズを追って段階的に厳格な規制基準が敷かれるUMRに関しては、他の金融サービスプロバイダーも関連ソリューションの提供を試みている。例えば、AcadiaSoftがMargin Reform及びMargin Tonicと提携し、同規制関連のワークショップや分析、戦略的アドバイス、ITシステムなどを提供している。また欧州監督当局(ESA)が同規制に係る規制技術基準の共同草案を公表するなど、グローバル規制当局にとってもUMRはモニタリング強化を図る分野の一つだ。UMRの各フェーズの導入を巡り、今後も金融機関及び規制当局の動向を見守りたい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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