香港証券取引所、サステナブル及びグリーンファイナンス関連の証券取引所を開設する計画

2020.06.22作成

2020.06.22更新

香港証券取引所、サステナブル及びグリーンファイナンス関連の証券取引所を開設する計画

ESMA

その他

サステナビリティやグリーンボンド、ESG関連商品の情報提供などを模索

香港証券取引所(本社:8/F, Two Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong[1])【以下、HKEXと称す】は、アジア地域のサステナブル及びグリーンファイナンス関連データや投資情報を提供する中核ハブとして、STAGEと呼ばれる新たな証券取引所を開設する計画を発表した。[2]

STAGEは、様々な金融商品のサステナブル及びグリーンファイナンス分野における情報の透明性とアクセス向上を目指すという。同取引所はHKEXに上場するサステナビリティやグリーンボンド、ESG(環境、社会、ガバナンス)関連商品の情報を蓄積したアーカイブを2020年後半に構築することで、STAGE上でこれらの分野に関する包括的なデータベースを提供する。その他にも、サステナブルファイナンスに関する情報共有やステークホルダー・エンゲージメントとしても機能させるとのことだ。また、国際基準を遵守した商品を組成し、毎年商品発行後のレポートを公表する発行体は、STAGE上にて無料で関連商品を提供できるという。HKEXは、サステナブル及びグリーンファイナンス市場の発展に伴い、STAGEの機能を拡張させ、これらの分野に関連したデリバティブ商品など、同取引所がカバーするアセットクラスを拡充していく方針だ。

新たな取引所の開設に際し、HKEXのグリーン及びサステナブルファイナンス部門ヘッドであるGrace Hui氏は以下のようにコメントしている。

STAGEの開設は、サステナビリティに対する我が取引所の強力なコミットメントを示しております。発行体や投資家、アセットマネージャー、市場参加者、投資アドバイザーがアジア地域におけるサステナブル及びグリーンファイナンスエコシステムの構築に向けた積極的な役割を演じることで、我々は香港市場のサステナビリティを向上できると考えております。我が取引所は、発行体がサステナブル及びグリーンファイナンス関連の金融商品への認識を高めると共に、投資家やアセットマネージャーに対し、これらの分野でのデューデリジェンスや選別投資、モニタリングに寄与する情報へのアクセス向上を目標としております。

Grace Hui, HKEX Head of Green and Sustainable Finance - HKEXより引用

アジアパシフィック(APAC)地域はサステナブル及びグリーンファイナンス関連の資金調達が急増しており、同地域における2019年のグリーンボンドの発行は過去最高水準の188.9億ドルに達した模様だ。香港が重要な役割を果たしており、中国本土における同商品の市場規模は81.3億ドルになるという。

尚、足元のサステナブルファイナンスやESG関連動向に目を転じると、リフィニティブがグローバルサステナブル戦略を公表したほか、ESMAがESGディスクロージャー要件に関連のノーアクションレターを発行するなど、官民での取り組みが活発化している。そして今回、HKEXが市場からの注目が高まっているこれらの分野に関連した取引所を開設することで、更なる顧客取引の拡大が期待できそうだ。

official release 2020.06.22

出典元:

ニュースコメント

国際金融センターとしての地位の維持を図るHKEX

中国が香港国家安全法の制定を推し進める中、約1,300社に上る香港進出の米国企業の一部が同国からの撤退を検討しており、香港が確立したアジアの一大金融センターとしての地位が不安定化している。今回、グローバル金融市場において注目度が高まっている、サステナブル及びグリーンファイナンス関連の機能を有する新たな取引所を開設することで、投資家及び発行体にとって魅力的な市場の維持を目指していると推察される。また、HKEXはボラティリティ・コントロール・メカニズムの機能拡張を段階的に実施するほか、同取引所傘下のOTC Clearが日本の金融庁(JFSA)から清算業務ライセンスを取得するなど、更なるサービス機能の強化と市場開拓を模索している状況だ。他方で、香港からの撤退を検討している企業の多くが、移転先としてシンガポールを挙げているという。同国はMASがESMAと覚書を締結したことを発表し、シンガポールのベンチマーク活用を模索するなど、競争力のある金融市場の構築に向けた動きを強めている。香港国家安全法の制定を巡る米中の対立を注視しつつ、香港金融市場の発展に向けたHKEXによる今後の取り組みに注目したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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