ゴールドマンサックス、CLSとIHSマークイットのクロス通貨スワップ決済サービスを導入

2020.06.15作成

2020.06.15更新

決済リスクの軽減やファンディングコストの削減などに寄与

ゴールドマンサックス証券(本社:200 West Street New York, NY 10282 United States[1])が6月11日、多通貨同時決済(Payment versus Payment)【以下、PvPと称す】の専門機関であるCLS(Continuous Linked Settlement)と、英国・ロンドンを拠点とする情報提供会社であるIHS Markit【以下、IHSマークイットと称す】が提供するクロス通貨スワップ決済サービスを導入したことが明らかになった。[2]

同サービスは、クロス通貨スワップ取引の決済において、CLSの主力PvPツールであるCLSSettlementと、IHSマークイットの取引コンファメーションプラットフォームであるMarkitSERVを活用するとのことだ。同取引フローにおいては、CLSSettlement上にて全てのFX取引とマルチラテラル・ネッティングが行われることにより、日々のファンディングコストが大幅に削減されると共に、流動性の最適化も図れるという。尚、ゴールドマンサックス証券はクロス通貨スワップ決済サービスを利用する8番目のグローバル金融機関になるとのことである。

新たな決済サービスの導入に際し、ゴールドマンサックス証券のショート・マクロトレーディング部門グローバルヘッドを務めるRichard Chambers氏とCLSの商品部門ヘッドであるKeith Tippell氏、IHSマークイットのマネージングディレクターを務めるChris Jackson氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

CLSとIHSマークイットが提供するクロス通貨スワップ決済サービスを我が社が導入することは決済リスクの軽減に役立っており、より多くのカウンターパーティーが同サービスを活用することで、オペレーションやファンディング効率の向上も期待できます。

Richard Chambers, global head of Short Macro Trading at Goldman Sachs - CLSより引用

我が社は、ゴールドマンサックス証券がクロス通貨スワップ決済コミュニティに加わることを喜ばしく思っております。市場参加者の間ではリスクの軽減や流動性の最適化、ポストトレードの効率化に関する需要がこれまでになく高まっております。我々はFX市場の金融インフラを提供するユニークな特性を活かすと共に、IHSマークイットを含む共通の顧客基盤を有する有力サービスプロバイダーと協働することにより、今回のような付加価値サービスを提供できます。

Keith Tippell, Head of Product at CLS - CLSより引用

CLSとの協働は、通貨スワップ市場の効率化を図る画期的な事例と言えます。MarkitSERVに接続するグローバル金融機関が拡大を続ける中、ゴールドマンサックス証券がクロス通貨決済コミュニティに加入したことは、更なる市場の効率化に寄与すると見ております。

Chris Jackson, Managing Director of IHS Markit - CLSより引用

尚、足元の新型コロナウイルス(COVID-19)禍において、ゴールドマンサックスは金の値上がりを予想しており、マルチアセットクラスに対応したサービス強化を図っている。そして今回、同社は決済リスクの軽減やコストの削減に繋がるサービスを導入することで、更なる顧客満足度の向上が期待できそうだ。

official release 2020.06.15

出典元:

ニュースコメント

官民で続々と進む新たな決済ソリューションの開発・利用

クロス通貨スワップ決済サービスにおいて利用されるマルチラテラル・ネッティングは、日本を含む多くの国々がセントラル・カウンターパーティーを導入することで、より複雑で件数も大きい取引の決済を効率的なものにしている。足元では、クロスボーダー取引の拡大に伴い、決済リスクの軽減やコストの削減に繋がる高付加価値の決済ソリューションの開発及び利用が拡大している状況だ。例えば、TrueFXが新清算会員ネットワークを開設したほか、GMEXとDPNがハイブリッド型証券取引所を開設し、シームレスなマルチアセット取引や清算及び決済を実現させている。また、スウェーデンが欧州中央銀行(ECB)の即時決済システムに加入しことに加え、シンガポール金融管理局(MAS)とカナダ銀行がクロスボーダー決済の実証実験を成功させるなど、国レベルにおいても決済ソリューションの開発及び利用が積極的に進められている。今後も、官民が決済リスクの軽減や利便性向上に繋がる決済システムを構築することを期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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