中国蘇州市、デジタル人民元のトライアルテストを継続

2021.02.09作成

2021.02.12更新

中国蘇州市、デジタル人民元のトライアルテストを継続

ソリューション

暗号資産ニュース

3,000万元相当のCBDCを追加配布することを決定

中国の蘇州市は中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】に関するトライアルテストを継続し、同市内の居住者に3,000万元(約500万ドル)相当のデジタル人民元を追加で配布することを決定した。[1]

昨年末、蘇州市は合計2,000万元(約300万ドル)相当のデジタル人民元を宝くじ形式で配布したばかりだが、今回、更に15万人に200元(約31ドル)を配布してトライアルテストを継続すると伝えた。抽選の結果は2月10日に発表され、配布されたデジタル人民元は同月26日までにJD.comを含むイーコマースプラットフォームで利用可能だという。

中国政府はデジタル人民元のテストプログラムを複数都市に拡大しており、深セン市でも同様の試みを行っている。これに加え、中国人民銀行(People's Bank of China)【以下、PBoCと称す】は大手配車サービスのDiDi Chuxingや、テンセント(Tencent)が支援する食品配達のスタートアップ企業であるMeituan Dianpingと提携するなど、民間企業とのパートナーシップを通じてデジタル人民元関連のソリューション開発に取り組んでいるようだ。

既にPBoCは2万回のトランザクションを完了し、デジタル人民元のローンチに近付いているが、中国におけるCBDC開発はどのような展開を見せるのか、今後も同行の動きに注目していきたい。

official release 2021.02.09

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ニュースコメント

CBDC開発で中国を追う欧州各国

中国がデジタル人民元の発行に向けて秒読み段階に入っていることを受け、世界各国は急ピッチでCBDC開発を進めている。特に欧州では、デジタルユーロ発行に向けてイタリア銀行協会がCBDCの試験運用を計画している他、フランスやドイツ、オランダを始めとする主要国が協力体制を構築しながらCBDCの実現可能性を模索しているという。他方で、ユーロ非導入国でも個別の動きが生じているが、これらプロジェクトの進捗は芳しくないと言えるだろう。例えばスウェーデンでは、同国におけるCBDCであるイークローナに対する懸念が高まり、銀行業界は金融システムの安定性や流動性を脅かす可能性を問題視しているという。CBDCは中央銀行と市中銀行の関係性や社会構造を大きく変えてしまう可能性があるため、多くの国がその導入に慎重を期しているようだが、中国のデジタル人民元に対抗できる暗号資産は登場するのか、今後も暗号資産市場での展開を見守っていきたい。

Zero(ゼロ)
筆者:Zero(ゼロ)
著者詳細

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。金融ライターとして独立後は、仮想通貨およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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