BSP、暗号資産サービスプロバイダーのライセンス取得を義務化

2021.01.28作成

2021.02.12更新

BSP、暗号資産サービスプロバイダーのライセンス取得を義務化

AML

暗号資産ニュース

FATFの勧告に従ってAMLやCTFの観点から規制強化

フィリピンの中央銀行であるBangko Sentral ng Pilipinas【以下、BSPと称す】が、国内の暗号資産サービスプロバイダー(Virtual Asset Service Provider)【以下、VASPと称す】向けの新しいガイドラインを発行し、これら企業にライセンスの取得を求めていることが明らかになった。[1]

発表によると、BSPは金融活動作業部会(Financial Action Task Force)【以下、FATFと称す】の勧告に従い、AML(マネーロンダリング防止)やCTF(テロ資金供与対策)のリスク回避を目的にVASPが当局の権限証明書を取得することを義務付けるという。これによりVASPは既存の金融サービスプロバイダーに課せられるルールを遵守すると同時に、最低1,000万ペソ(約20万8,000ドル)、または、カストディサービスを提供する場合には最低5,000万ペソ(約100万ドル)の資本要件を満たすことが求められる。また、VASPは暗号資産を用いた取引を国際送金として扱い、5万ペソ(約1,000ドル)を超える取引に関する情報の保管に加え、疑わしい取引や50万ペソ(約1万ドル)以上の取引に対して更なるデューデリジェンスを行うことが必要になるようだ。

BSP総裁のBenjamin Diokno氏は、このVASP規制に関して次のようにコメントした。

過去3年間で暗号資産取引所の利用が加速しています。この金融イノベーションの進化する性質を認識し、既存の規制を拡大しながらそれに見合ったリスク管理を実施する時が来たのです。これによりVASPに関連する活動を既存企業と同様に区別なく規制することが可能になります。

Benjamin Diokno, Governor of Bangko Sentral ng Pilipinas - BSPより引用

BSPは2017年から法定通貨を取り扱う暗号資産取引所を規制しており、現在、そのガイドラインをアップデートすることで暗号資産市場への締め付けを強めている。これがどのような結果につながるのか、今後もフィリピン国内での動きを見守っていきたい。

official release 2021.01.28

出典元:

ニュースコメント

世界各国での暗号資産規制を加速させるFATF

暗号資産の台頭を受けてFATFは各国政府に国内規制を強化するよう求めており、マネーロンダリングを含む世界的な金融犯罪を抑止するための取り組みを継続している。その流れを受けて、韓国FSCが暗号資産ユーザーのKYCをVASPに義務付けるなど、FATFのTravel Rule(送金時に個人情報を提供する規定)に準拠する意思があることを示しているという。その他にもFATFのガイダンスに従って香港SFCが全暗号資産取引所を規制する方針を示しており、国内で活動するVASPにライセンス取得やAML法の遵守を徹底させるべくフレームワークを強化することを計画しているようだ。別角度からのアプローチとしてWEFが暗号資産規制に向け国際コンソーシアムを結成するなど、世界規模でのガバナンスを検討する試みも進められているが、暗号資産を取り巻く環境はどのように変化していくのか、今後もその動向に注目していきたい。

Zero(ゼロ)
筆者:Zero(ゼロ)
著者詳細

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。金融ライターとして独立後は、仮想通貨およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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