中国人民銀行、デジタル人民元の発行に向けて規制強化を実施

2020.10.27作成

2020.10.27更新

中国人民銀行、デジタル人民元の発行に向けて規制強化を実施

ブロックチェーン

仮想通貨ニュース

デジタル人民元以外のステーブルコインを禁止する方針

中国人民銀行(People's Bank of China)【以下、PBoCと称す】が中央銀行発行の独自仮想通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】であるデジタル人民元の導入を前に、仮想通貨規制を強化していることが明らかになった。[1]

今回、PBoCはデジタル人民元に関する規定を銀行法に明記することを提案しており、来月23日までパブリックコメントを募集しているという。これにより中国ではデジタル人民元が正式な通貨として認められると同時に、同仮想通貨以外の人民元を対象としたペッグトークンの存在が否定されるようだ。

この法案の第22条第3項には「仮想通貨に関連するリスクを回避するために、他の法人または個人が人民元に代わるトークンを発行または販売することを禁止する」と規定されている。現在、中国の仮想通貨コミュニティでは数多くのステーブルコインが仮想通貨取引に利用されており、この法案の成立が重大な影響を及ぼす可能性があると言えるだろう。特にテザー社などは人民元を裏づけとするステーブルコインを発行しているため、中国当局から何らかの圧力を受ける可能性がある。

年初からCBDC導入に向けて、中国政府は暗号法を施行するなど、仮想通貨およびブロックチェーン技術を広く採用する意向を示している。また、中国政府はデジタル人民元のテストプログラムを複数都市に拡大し、開発活動を加速させているだけに、今後も同国での動きを見守っていきたい。

official release 2020.10.27

出典元:

ニュースコメント

世界各国が中国によるCBDC発行を牽制

他国に先駆けてCBDC開発を進める中国だが、G7が中国の動きを牽制する共同声明を発表するなど、その協調性を無視した行動が批判の対象となっている。先日、G7はCBDCに関する検証が不十分であることに触れ、世界の金融システムにどのような影響を与えるかわからない中で中国がデジタル人民元の発行に向かっていることを批判した。また、これに関して日本銀行の黒田東彦総裁も、CBDCを発行する前に透明性を確保すべきだとコメントしているようだ。実際に日本銀行はCBDC導入の技術的な実現可能性を模索しており、現時点ではユニバーサルアクセス(Universal Access)と強靭性(Resilience)がハードルになるとの結論を出している。中国政府はデジタル人民元を軸に、仮想通貨市場および世界経済を主導することを目論んでいるようだが、これがどのような変化をもたらすのか、今後も同国の動向に注目したい。

Zero(ゼロ)
筆者:Zero(ゼロ)
著者詳細

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。金融ライターとして独立後は、仮想通貨およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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