ECB、デジタルユーロ開発に向けてCBDCに関するレポートを提出

2020.10.06作成

2020.10.06更新

ECB、デジタルユーロ開発に向けてCBDCに関するレポートを提出

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デジタルユーロ発行が避けられないものであると指摘

欧州中央銀行(European Central Bank)【以下、ECBと称す】は、今月2日に中央銀行発行の独自仮想通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】に関するレポートを提出し、デジタルユーロ開発に真剣に取り組んでいることを明らかにした。[1]

このレポートはCBDCのユーロシステムハイレベルタスクフォース(Eurosystem High-Level Task Force)によって起草、ECB理事会によって承認され、EU(欧州連合)28カ国がデジタルユーロ発行の準備を行う必要があることを説明しているという。レポートの中でECBは、デジタルユーロが金融システムの脅威となる可能性よりも、既存の経済を補完する存在になり得ることを強調している。更にECBは、電子決済の増加または現金の利用機会減少、民間企業による決済分野への参入、他中央銀行のCBDC開発などについて言及し、デジタルユーロの発行が避けられないものであることを指摘しているようだ。

ECB理事会のメンバーでイタリア銀行(Banca d'Italia)の元総裁であるFabio Panetta氏も、デジタルユーロ開発は根本的かつ差し迫った問題だと主張している。これに対してECBは今月12日にデジタルユーロ発行に関する公開協議を予定し、一般の人々や利害関係者の意見を取り込みたいという意欲的な姿勢を見せている状況だ。

今年1月、ECBはCBDCの開発活動拡大を検討することを発表した。ECBはデジタルユーロの商標を申請して以来、未だ具体的な活動に着手できていないようだが、どのような動きに出るのか、今後も同行の取り組みに注目していきたい。

official release 2020.10.06

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ニュースコメント

欧州全体でデジタルユーロ発行に向けた動きが加速

中国のデジタル人民元や米国のデジタルドル発行が現実味を帯びてきている中、欧州でも各国がCBDCおよび仮想通貨を現実的に受け入れるためのソリューション開発を急ピッチで進めているようだ。例えば、フランスではフランス銀行がCBDC向け銀行決済アプリをテストするために、AccentureやHSBC、Société Généraleなどグローバルに事業を展開する企業とパートナーシップを締結し、デジタルユーロ発行の実現に尽力している。また最近ではフランス、ドイツ、スペイン、オランダ、イタリアのEU主要国がECにステーブルコインへの対策強化を要請するなど、欧州全体での連携もみられている。今回、ECBがCBDCに関するレポートを発行したことは、この欧州全体における取り組みを加速させると考えられるが、デジタルユーロ開発はどのような展開を見せるのか、今後もその動向を見守っていきたい。

Zero(ゼロ)
筆者:Zero(ゼロ)
著者詳細

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。金融ライターとして独立後は、仮想通貨およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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