ブラジル中央銀行、2022年までのCBDC導入を目指す

2020.09.08作成

2020.09.15更新

ブラジル中央銀行、2022年までのCBDC導入を目指す

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開発を進めるPIXが銀行インフラに採用される可能性

ブラジル中央銀行(Banco Central do Brasil)総裁であるRoberto Campos Neto氏は、2022年までに中央銀行発行の独自仮想通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】導入を目指すと発言した。[1]

現地メディアの報道によると、ブラジル中央銀行はCBDC立ち上げの見通しを精査するためのワーキンググループを数週間前に設立し、サイバーセキュリティや規制面での検証を進めているという。Neto氏はCBDCの実現において即時決済システムのPIXが重要な役割を担うことを強調しており、ブラジル中央銀行が11月までにその開発を完了すると同時に、オープンバンキングの取り組みを開始すると言及した。PIXはリップル社のODL(On-Demand Liquidity)サービスを代替する存在となり得るため、ブラジル中央銀行はPIXを活用することでRippleNetを採用する米国の金融機関よりも優位な立場を取れる可能性があるようだ。特にリップル社が仮想通貨業界のAmazonを目指すと公言し、パートナーシップを通じてブラジル市場に進出してきていることから、PIXはブラジル中央銀行にとって戦略的な価値を持つと言えるだろう。

Neto氏はPIXに対する期待を次のようにコメントしている。

仮想通貨を利用するには、効率的で相互運用可能な即時決済システムが不可欠です。加えて、競争力のあるオープンシステム且つ、信頼性が高く、換金可能で国際的な通貨である必要があります。間も無くローンチされるPIXはそれに値する可能性があると言えるでしょう

Roberto Campos Neto, President of Banco Central do Brasil - Correio Brazilienseより引用

ブラジル中央銀行はCBDC開発に向けて前向きな姿勢を示しているものの、他国と比較してもまだまだ遅れをとっている状況だ。中国政府はデジタル人民元のテストプログラムの拡大を予定するなど、CBDC関連のソリューション開発を加速させているが、ブラジル中央銀行はこの動きを追従することができるのか、今後も同国での展開を見守っていきたい。

official release 2020.09.07

出典元:

ニュースコメント

CBDC発行でインフレが拡大する可能性

先月、ブラジル政府は新型コロナウイルス(COVID-19)に伴う景気後退をくい止めるために、現金給付の延長や大規模な公共事業を執り行う方針を示した。しかしながら財政規律の緩みに対する警戒心が高まっており、ブラジルの法定通貨であるレアルに売りが集中し、同価格は対ユーロで過去最安値を記録している。ブラジル中央銀行は紙幣の流通コスト削減や金融システムの簡易化を目的にCBDC発行を目指しているが、このアプローチがインフレを拡大させる可能性があると指摘されているようだ。実際にBitMEX Researchは、中央銀行が現金を排除し、流動性規約を無視してマネーサプライを増大させる危険性があるとの報告書を提出している。最近ではフランス銀行がCBDC銀行決済アプリをテストするなど、世界各国がCBDC開発に意欲的な動きを見せているが、これがどのような影響をもたらすのか、今後も仮想通貨市場の動向に注目していきたい。

Zero(ゼロ)
筆者:Zero(ゼロ)
著者詳細

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。金融ライターとして独立後は、仮想通貨およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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