VISA、CBDCの実現を見越した新技術の特許を申請

2020.05.19作成

2020.09.15更新

VISA、CBDCの実現を見越した新技術の特許を申請

ブロックチェーン

仮想通貨ニュース

デジタルフィアットを発行・管理するシステムを考案

大手クレジットカード会社のVISA(ビザ)が、中央銀行発行の独自仮想通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】実現を見越し、その基盤となる可能性を秘めた新技術の特許申請を行っていたことが明らかになった。[1]

米特許商標庁(US Patent and Trademark Office)が公開した情報によると、VISAは物理的な法定通貨をデジタル化するための技術を開発しており、昨年11月にその特許申請を行ったという。この申請書の中でVISAは、セントラルエンティティコンピュータ(Central Entity Computer)を用いてブロックチェーン全体のトランザクションを管理し、法定通貨を代替するデジタルフィアット(デジタル化された法定通貨)を軸としたシステムを構築することが可能だと主張している。また、VISAはデジタルフィアットに額面とシリアル番号が割り振られていることに触れ、ユーザーはこれを法定通貨と同じように利用できると言及した。

VISAはセントラルエンティティコンピュータが具体的に何であるかを明示しなかったものの、それがデジタルフィアットを生成できる唯一のノードであると同時に、通貨発行数を管理しながら同通貨の価値が法定通貨に裏付けされていることを保証する金融監督者としての役割を持つと説明している。加えて、VISAはこのシステムを成立させるためには、デジタルフィアットを発行するプロセスに信頼できる証明書を組み込む必要があると示唆した。

今回、VISAが特許申請を行った事実は、必ずしも同社が仮想通貨関連システムの開発に注力していることを意味するわけではなく、イノベーションを模索する段階にある可能性を示す。しかしながら今月12日、VISAはトークン形式でブロックチェーン上にロックされた資産を償還するためのシステムの特許も別途取得しており、同社が仮想通貨関連技術に将来性を感じていることは間違いないと言えるだろう。

official release 2020.05.19

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ニュースコメント

仮想通貨市場参入への期待が高まるVISA

米カリフォルニア州を拠点にするVISAは、1日あたり平均1億件のトランザクションを処理する巨大決済企業だが、これまで仮想通貨市場では目立った動きを見せていない。今の所、VISAは決済事業で仮想通貨取引プラットフォームとの連携を強めるだけに留まっており、最近新たな資金調達に成功したレボリュートとは、パートナーシップの拡大を発表している。しかしながら今年に入って中国政府が暗号法を施行したほか、EUではECBがCBDCの開発活動拡大を検討するなど、各国の仮想通貨市場の活動が流動的になってきている事実を背景に、VISAが本格的に市場参入を目指す可能性が出てきているという。実際に米国ではデジタルドル財団がCBDCの発行に向けてアクセンチュアと協業するなど、民間企業を巻き込んだ取り組みが加速しているようだ。この流れは米国の決済インフラを牛耳るVISAにとっても大きな機会になり得るだけに、今後も同社の動向に注目していきたい。

Zero(ゼロ)
筆者:Zero(ゼロ)
著者詳細

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。金融ライターとして独立後は、仮想通貨およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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