エストニア、欧州委員会の指摘を受けて仮想通貨市場の規制強化へ

2020.04.28作成

2020.09.15更新

エストニア、欧州委員会の指摘を受けて仮想通貨市場の規制強化へ

AML

仮想通貨ニュース

新しいフレームワークの導入によりライセンス発給を厳格化

エストニアは仮想通貨取引所のライセンス取得が最も容易な国のひとつとして認識されており、これまで数千の企業を受け入れてきたが、欧州委員会(European Commission, EC)の指摘を受けて仮想通貨市場の規制強化を実施している。[1]

以前からEU(欧州連合)は、2020年1月までに全ての加盟国が第5次マネーロンダリング対策指令(The Fifth EU Anti-Money Laundering Directive)【以下、AMLD5と称す】に準拠することを義務付けていた。しかしながらエストニアを始めとするオランダやスペイン、ポルトガル、スロベニア、ルーマニア、スロバキア、ハンガリー、キプロスなどの一部国家は十分な対応を見せず、欧州委員会から警告を受けているという。AMLD5に準拠しない加盟国はEU法に違反することになり、欧州委員会から欧州司法裁判所(Court of Justice of the European Union, CJEU)に提訴される可能性があるため、最終的に仮想通貨市場の規制強化を余儀なくされているようだ。

特にエストニアではこれを契機に、規制当局が現行の仮想通貨規制およびガイドラインを修正し、仮想通貨市場の統制を図る動きを見せている。これによりエストニア国内で営業する取引所は、新しいフレームワークに適応する必要に迫られている状況だ。このフレームワークの下で取引所は、AML(マネーロンダリング対策)に対応する役員や取締役の雇用、現地事務所の設置、資本金の増資など様々な要件を満たすことが求められる。既存の取引所も同等の基準で再審査を受け、それをクリアできなければ、ライセンスが取り消されることになるという。

このEU内での仮想通貨規制の厳格化は、金融活動作業部会(Financial Action Task Force)の領域にも波及しており、加盟国の仮想通貨市場に対する方針に大きな影響を与えている。最近、EUではECBが独自仮想通貨の開発活動拡大を検討するなど、仮想通貨に対する関心が高まっているが、欧州委員会の圧力がどのように作用するのか、今後も同地域での動向に注目していきたい。

official release 2020.04.28

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ニュースコメント

国際的な連携の強化が求められる各国政府

中国のデジタル人民元やFacebook(フェイスブック)によるリブラ(Libra)など世界的なステーブルコインのローンチが現実味を帯びてきているが、各国政府はそれにどう対応するか決定できずにいるようだ。今年に入ってWEFが仮想通貨規制に向け国際コンソーシアムを結成したものの、未だ情報収拾や検証の域を脱しておらず、中央銀行発行の独自仮想通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】が既存の金融システムにどのような影響を与えるかさえ明確になっていない。一方、中国では中央政府が暗号法を施行するなど、具体的なプランの上でプロジェクトが進行している状況だ。CBDCの発行は仮想通貨市場を超えて世界経済や貿易などにも干渉する可能性があるだけに、各国政府はそれに対処するための枠組みを早急に構築する必要があると言えるだろう。

Zero(ゼロ)
筆者:Zero(ゼロ)
著者詳細

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。金融ライターとして独立後は、仮想通貨およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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