Hoch CapitalとRodeler、キプロス投資会社ライセンスを放棄

2020.07.24作成

2020.09.15更新

Hoch CapitalとRodeler、キプロス投資会社ライセンスを放棄

CySEC

FX業者 (ブローカー)

規制当局が両社のコンプライアンス違反を指摘

キプロスの金融監督当局であるキプロス証券取引委員会(Cyprus Securities and Exchange Commission)【以下、CySECと称す】は7月22日、金融サービスプロバイダーのHoch Capital Ltd【以下、Hoch Capitalと称す】とRodeler Ltd【以下、Rodelerと称す】がキプロス投資会社(Cyprus Investment Firms)【以下、CIFsと称す】のライセンスを放棄したことを発表した。[1]

CySECはHoch CapitalとRodelerからCIFライセンスを放棄する旨の通知を受けた後、7月6日にDI87-05指針第4条である認可の取り下げ及び一時停止に関する規制に基づき、両社の申し出を承認すると共に、今後の手続きについてのタイムスケジュールを通告したという。

英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority, FCA)は両社を含む金融サービスプロバイダー7社に対し、ソーシャルメディア上で有名人を活用した偽のマーケティング活動を行ったと主張していた。これを受け、CySECは6月上旬に7社のCIFライセンスを一時停止する措置を講じていた。Hoch Capitalは英国にてiTrader及びTradeATFブランドを運営していた一方で、Rodelerは24optionブランドを運営していた。同ライセンスを一時停止された企業の中には、Magnum FXとF1 Marketsが含まれていたが、両社のライセンス停止は3週間ほどで取り消されたのに対し、Hoch CapitalとRodelerについては取り消しがなされず、ライセンスを放棄する結果となった。また、イタリア規制当局もHoch Capitalが運営するブローカーディーラーサービスに注意を促しているほか、同社及びRodelerは破綻したドイツのフィンテック企業Wirecardの主要顧客であったという。

CySECは権限の範囲内において、Hoch CapitalとRodelerによる法律違反の監督を継続するとのことだ。また新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受けて金融犯罪が増加する中、同委員会は規制下にある企業に対し、金融活動作業部会(Financial Action Task Force, FATF)が勧告するAML(アンチマネーロンダリング)及びCFT(テロ資金供与対策)ガイドラインの遵守を要請している。今後も、CySECによる健全な市場の形成に向けた取り組みに注目したい。

official release 2020.07.24

出典元:

ニュースコメント

コンプライアンス強化を図る海外FXブローカーに注目

CySECはAFXキプロス法人のライセンスを取消したほか、同委員会職員になりすました詐欺に関する警告文を発令するなど、企業のコンプライアンス違反や金融犯罪に対する監督強化を図っている。一方で、FCAがビットコイン関連のなりすましメールに注意喚起するほか、足元の新型コロナ禍において、ロシア中銀が未認可ブローカーによるFXサービスの急増に対し懸念を示すなど、グローバルに金融犯罪が多発している状況だ。このような市場環境下において、欧州監督当局(ESAs)がAML及びCFT関連の共同ガイドラインを公表し、欧州初となるAMLとCFT専門監督カレッジの創設を提案するなど、複雑化する金融犯罪や深刻なコンプライアンス不備に対する監督強化の方針を示している。他方で、ICM.comが最大500万ポンド補償する保険サービスの提供を開始したほか、ATFXが生体認証を活用した口座開設サービスを開始するなど、顧客保護やコンプライアンス業務の強化を図る動きも散見されている。グローバルに金融犯罪が蔓延する中、官民が安心・安全な取引環境を構築するための取り組みを積極化することに期待したい。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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