BNPパリバ、トルコリラ通貨ペアの新規注文を停止

2020.05.20作成

2020.05.20更新

BNPパリバ、トルコリラ通貨ペアの新規注文を停止

ソリューション

FX業者 (ブローカー)

トルコ当局が同行へのリラ取引禁止措置を解除してから1週間ほどで決断

フランス・パリを拠点とする投資銀行であるBNPパリバ(本社:16, bd des Italiens-75009 Paris[1])のFXプライムブローカレッジ部門が、トルコリラ通貨ペアの新規注文を停止した。[2]トルコの銀行監督当局である銀行調整監視機構(Banking Regulation and Supervision Agency)【以下、BDDKと称す】が、同行を含むグローバル金融機関3行に対するリラ取引禁止措置を解除してから1週間ほどでの決断になる。

BDDKは5月7日、BNPパリバとUBS及びシティ(Citi)グループ3行のFX部門と国内金融機関によるリラ取引を禁止する措置を講じていたが、3行がリラ債務要件を満たしたとして、その4日後に同措置を解除していた。現在、BNPパリバのFXプライムブローカレッジ部門の顧客であるヘッジファンドやファミリーオフィスなどのバイサイド投資家は、トルコリラ通貨ペアの新規注文は停止され、既存のポジションの決済注文のみできるという。尚、同行はドイツ銀行のプライムブローカレッジ部門に所属していた1,000名規模に及ぶスタッフを受け入れ、同部門の強化を図っている状況である。その他にも、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響を受けてトルコリラの流動性リスクが浮上する中、Clearstream BankingとEuroClear Bankが、共通の取引プラットフォームであるBridgeを通じたトルコリラ取引の一時停止を決定した。また、ThinkMarketsとOANDAジャパンはトルコリラ関連の取引制限措置を講じている。

トルコが新型コロナウイルスの影響を受ける中、為替介入に用いる外貨準備不足に対する懸念が浮上しており、トルコリラ安に連れて他の新興国通貨も売られている状況である。外国人投資家によるトルコリラの投機に対抗する資金量は限られているほか、国内金融機関とグローバル金融機関3行とのトルコリラ取引禁止措置に関しても、効果は限定的であった模様だ。同国メディアによると、当局はFXや預金、クレジット及びブローカレッジサービスに関する法律違反行為を調査しているほか、オフショア取引がトルコリラの投機に繋がっていると確信し、英国拠点の一部の金融機関による同通貨を絡めた為替操作行為を非難しているという。

尚、新型コロナウイルス動向を巡っては、MASが為替介入データ公表を前倒ししたほか、FCAが最良執行の報告義務を緩和するなど、グローバル各国当局がソリューションを講じている。そして今回、BNPパリバがトルコリラ通貨ペアの新規注文を停止する決断に至ったが、不安定なトルコ情勢を見据えつつ、他の海外FXブローカーの動向も注視する必要がありそうだ。

official release 2020.05.20

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ニュースコメント

新型コロナ禍において総合力が試されるプライムブローカー

資本集約型産業のプライムブローカレッジ事業は、株や債券、為替などのマルチアセットクラスに対応した執行や決済サービスに加え、システムの提供やヘッジファンドと有力投資家を結びつけるキャピタル・イントロダクションなど多岐にわたるサービスの提供が求められる。更に、プライムブローカーの顧客であるヘッジファンドなどに対して、空売りのためのレンディング(貸株)やレバレッジをかけるための資金提供など、信用を供与することが顧客満足度の向上を図る上で重要なサービスになっている。そのため、特に金融危機時において信用供与に伴うバランスシートの悪化が度々問題視されており、例えば、大規模リストラを敢行したドイツ銀行はプライムブローカレッジ部門の売却を余儀なくされている。一方で、ヘッジファンドなどにフルサービスを提供することで、高い手数料の獲得が期待できるため、Invast GlobalやINTL、JPモルガンチェース、ゴールドマンサックスなどの有力金融機関が同部門の強化を図っている。金融市場のボラティリティが高止まりする足元の新型コロナ禍においては、更なる収益の拡大を目論む顧客の多様なニーズに応えることができるプライムブローカーとしての総合力が試されていると言えそうだ。

プラナカンカン
筆者:プラナカンカン
執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー
著者詳細

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒

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